野菜のグリル

 野菜のグリルにはまっている。昨年度住んでいた神奈川県の、とあるフレンチレストランで食べた鎌倉野菜のグリルが美味しかったので、なんとか再現できないものかと思い、何度もトライしている。

 

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 玉ねぎやカブなど糖質を含んだ根菜と、アスパラ、ナス、パプリカなどの体積のある野菜を合わせる。オリーブオイルを気持ち多めに敷いて、中火で蓋をしてじっくり動かさずに焼いていく。途中、焦げてないかと心配になるが、あまり触りすぎると良い焦げ目がつかない。これがなかなか難しい。

 

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 ここでひとつ、例のレストランのシェフに教わった小技で、パスタの茹で汁を途中加えるというのがある。パスタの茹で汁の中には塩と小麦粉の成分が溶けている。塩は、浸透圧の関係で野菜の水分や糖分を内側から引き出してくる働きをする。小麦粉と野菜のタンパク質が、にじみ出てきた野菜の糖質とからまって、これまた良い焦げ目をつくる。タンパク質+糖質を高温で調理すると「メイラード反応」といって、香り・旨味が格段に増すらしい。例えばブラウンソースや、タレがよくからまった肉などがそうだ。

 

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 そんなこんなで、じっくり時間をかけて火を通す。できあがった野菜は、慣用句的な意味じゃなく、本当に甘くなっている。皿に盛り付けて、もこみちがやるように少し高いところから塩を振ってやる(パフォーマンスでやっているのではない。そうすると全体に均等にかかっていいのだ)。付け合わせにホロホロに煮込んだ鶏肉など添えると最高だ。このようにして、わたしは冷蔵庫で冷えている酒に手を伸ばす。炭水化物は控えるから許してほしい。