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ねこの名前

 猫の名前を考える。

 いままで猫をはじめ、動物を飼ったことがない。わたしが生まれる前、母方の祖父母の家では猫を飼っていたそうだ。「高橋(母の旧姓)ね子」という名前だったそうだ。「ね子」が死んでしまってから、寂しくなった祖父母は、あたらしい猫を飼って、今度は「にゃん子」と名付けた。あるいは名付けなかったのかもしれない。ただそう読んでいただけなのかもしれない。

 

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 ねこ、と口に出すとそれだけで柔らかい気持ちになれる。ね、が暖かく柔らかな毛並みを思わせ、こ、がその毛並みの下にある小さな骨に触れるような感じがする。

 ね、こ。ねこ。ねこかわいい。

 

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 猫の名前を呼ぶと、彼らは色々な反応をする。しっぽをぴく、と震わせるだけで、そっぽを向いているやつもいる。にゃーん、と返事をするやつもいる。わたしは猫の名前を呼んでみたい。どんな名前なら呼びたいかな〜と妄想することがしばしばある。

 今のところのベストは、男の子なら「チャーチル」か「カミュ」。女の子なら「ソーニャ」「サガン」。sやcなどの高音が最初に聞こえる音にすると、ねこが聞きやすいかな、と思っている。

 チャーチル! と呼ぶと、にゃーん、というかなあ。カミュ〜って呼んでもそっぽ向いてると思う。現実逃避だね。いつか現実にしたいね。

 

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 タラレバ娘をなんとなく見ていた。いい男は居ないか云々、元彼が云々、どこにでもありそうな話を、酩酊した吉高由里子たちが喋っているだけだ。なんでだろう、それでもちょっと面白い。満たされない思いをだらだら垂れ流して、ゆるやかに共有し、傷の舐め合いをする感じは、私にも覚えがある。

 満たされない思い。わたしは今のところ猫飼いたいなあ、ぐらいだなあ。チャーチルカミュ、ソーニャ、サガン、おいで〜遊ぼう〜。