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2017/01/02

映画 雑感

 祖父母宅へ行く途中、母の運転する車内で何か若者の聴く音楽を教えてあげようと思って、adeleの『25』とmaroon5のベスト盤をレンタルしたものを聴かせた。他の候補としてはブルーノ・マーズとかデヴィッド・ゲッタもあったんだけど、ポップで聴き易いものを、と思い、前の二つに。adeleは大変よく気に入っていただけたようだ。

 

  ※

 

 リトル・ミス・サンシャインを観た。

 物語の冒頭で自殺未遂をした伯父を引き取る場面で、(あれ、これってこんな暗い映画なの?)と思って不安になって、それから一家の不和をこれでもかと詰め込まれ、感情移入させないタイプの映画なのかな、と俯瞰するモードに。

 登場人物それぞれに問題があって、もう目も当てられない、と思い始めた頃に、妹ちゃん・オリーブの笑顔が炸裂したり、ワーゲン・バスをみんなで押してエンジンを起動させるという物語上の仕掛けが登場して、家族が共同し始めた頃から面白くなった。みんな妹ちゃんのことは大好きなんだよね。オリーブちゃんがアイスクリームを食べる場面なんか、観てるこっちまでにんまりしちゃう。あ〜かわいい。

 で、終盤、幾多のトラブルを強引に乗り越えた先に待ってるのが、小さな女の子に化粧させたり大人の価値観でガチガチに固められた奇妙なミス・コンテストなんだ。予々わたしも、ミスコンという仕組みには疑問があったんだけど、その気持ち悪さをうまく言い表してくれた感じがする。

 というのは、一般論とか正論とかじゃなく、美とか良さを測る尺度に対しての嫌悪感なんだと思う。大学のミスコンに出る人たちって、似たような顔で似たような微笑みで似たような広報戦略で、さらに言えば、ミスコンに関わるような人々も似たようなクラスターでさ。私のような内向的な人間からすれば、どこか遠い国のお祭りと同じ奇妙な風習だなあという感じがしちゃうんだよ。わたしが好きな女性のタイプとか、美しいな〜と思うひととは、まるっきり違ってるんだもの。わたしはミスコンに出ないような人が好きです。容姿のことじゃなく、メンタリティがね。要は「美の多様性を尊重する観点から、ミスコンに出る人間のメンタリティを美しいと思えない。」ってことかしら。うまく言えないや。

 で、映画の中では、自殺未遂した同性愛者の学者が、「ミスコンはクソだ。人生はクソみたいなことばかりだ」って言うんだけど、彼が言うように、世の中にはすごく理不尽な尺度がたくさん蔓延ってて、自分が望まないマウンティングの中に勝手に取り込まれてしまってるんだよなあと感じ入ったわけ。それでも物語の中の一家は、ブーイングが起ころうが、退席する観客が出ようが、生きて在ることの尊厳をきらきら振りまきながら、不器用なダンスを踊りきるんだ。泣けてくる。

 オリーブちゃんを演じたアビゲイル・ブレスリンは、『ゾンビランド』にも出てたのね。愛嬌のある表情が魅力的で、これからどういう芝居をするのか、とても楽しみ。

 


Little Miss Sunshine - DVD Trailer